永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

オノレを知る。

今日は豊川市で取材。人生の大先輩にありがたいお話をうかがった。89歳のご主人は鹿角ナイフ、80歳の奥様は着物をリメイクした洋服やバッグを仲睦まじく作ってらっしゃり、本当にすばらしい年の重ね方をしていると思った。

とはいえ、ずっと順風満帆だったわけではない。たくさん悲しいこともあったし、眠れないくらい悩んだこともあったという。それを1つ1つ乗り越えてきたからこそ、今の幸せがあるのだ。

「すべて私にとって必要なことだった」と、奥様はおっしゃった。すごいとしか言いようがない。なかなか言えるものではない。私なんぞはいつまでも引きずってしまうし、相手がいることだったら許せないかもしれないなー。実際、もう2度と会いたくない人もいっぱいいるし。

私がそう思っているということは、裏を返せば私とは2度と会いたくないと思っている人もいるわけで。すべて私自身の不徳と致すとことであるのは間違いない。

根本的に私は人としての器が小さいのだ。わかっていたことだけど。今さら大きな器になることなんてできないだろうから、小さいことを認めることからはじめよう。器が小さいなりの生き方だってあると思うから。

そもそも10人いたら10人に支持されることなんて無理だ。そういう人もいるだろうけど、少なくとも私には。プロ野球のバッターの打率、3割くらい。つまり、10人のうち3人に支持されれば万々歳ではないか。3割が多いというのなら、2割でもよい。

オノレを知ること。それに尽きる。