永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

きしめん普及に何が必要か?

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きしめんが絶滅の危機に瀕している、ということは、このブログでも、また、webメディアでも書いてきた。

きしめん離れに歯止めをかけようと、学生たちが立ち上がったという記事をネットで見つけた。

老舗の製麺会社と共同できしめんの麺を使ったおつまみを開発し、クラウドファンディングのサイトで限定発売するというプロジェクトらしい。

教育の一環として考えれば、非常によくできたカリキュラムである。

製麺会社にアプローチして、限られた予算の中で商品を開発せねばならないし、ネーミングやパッケージのデザインも考えねばならない。さらにはクラファンサイトへアップするための記事や写真も必要となる。

が、そのおつまみが広く普及すれば、きしめんを食べる人が増えるのだろうか?甚だ疑問である。

その昔、製麺会社がきしめんの普及を目的に、さまざまなイベントを開いたことがあった。そこで出されたのは、サラダきしめんやカルボナーラきしめん、麻婆きしめんなどの創作メニュー。

このイベントを機にきしめんの消費量が増えたという話は聞いたことがない。

何がいけなかったのか。答えは簡単である。

きしめん離れを食い止めようと思ったら、変化球は要らないのだ。

ど真ん中の直球ストレートで十分伝わる。

つまり、本当に美味しいきしめんを食べてもらえばよいのだ。

プロジェクトに参画している学生たちは、駅のホームやセルフではない、麺類食堂のきしめんを食べたことがるだろうか。

製麺会社にアプローチするのも結構だが、毎日麺を打っている麺類食堂の店主に話を聞いたことがあるだろうか。

きしめん離れが進んでいるというなら、まずはその現場を見に行くべきだ。

私が担当の講師なら、そこから始めるけどな。

トップ画像は、ご存知『星が丘製麺所』の「すだちきしめん」。

『星が丘製麺所』は、名古屋市港区の麺類食堂『高砂』の堀江さんと名古屋市千種区のうどん酒場『うどんや太門』の太門さんが「きしめんを再び名古屋のソウルフードに」をテーマに掲げて開店。

きしめんに限らず、このような店がもっと増えてくると、名古屋の街がもっと面白くなると思う。