永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

スタンス。

ネトウヨ界隈がよく使うフレーズに、「メディアはサヨクに乗っ取られている」というものがある。最近あまり見聞きすることはなくなったが、ネトウヨから熱烈に支持されていた安倍政権下では常套句だった。

彼らの言う“サヨク”は、共産主義者だけでない。安倍政権に異を唱える者は皆、サヨク。安倍政権を批判するメディアもサヨク、となるわけだ。

そもそもメディアは、権力をチェックする役割も担っているわけで、反権力・反体制であるのは当たり前。むしろ健全な状態といえる。

ところが、名古屋のメディアが、名古屋のライターが「名古屋めし」を報じるとき、なぜか全肯定する。勘違いしてほしくないのだが、私は「名古屋めし」を提供している店をディスるつもりは微塵もない。

愛知県や名古屋市が20年以上もバカの一つ覚えのように「名古屋めし」観光のキラーコンテンツとして扱っている。それに対して疑問を呈するメディアもなければライターもいない。私にはそれがとてつもなく気持ち悪く見える。

私はジャーナリストではない。ただの雑文書きではあるが、メディアの片隅で生きる者として反権力・反体制のスタンスを忘れてはいけないと思っている。