永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

使命。

写真を撮るのが好きだから、カメラマンになったという人と同様に、文章を書くのが好きだからライターになったという人も多いと思う。

私の場合は、文章を書く必要に迫られてライターになったのであり、書くこと自体は苦手だったし、大嫌いだった。

それではいけないと4年前にこのブログを始めたおかげで嫌いという気持ちはなくなったものの、同業の方が書いた文章と比べて私は下手すぎると思っている。正直、苦手意識はまだ抜けない。

しかし、よくよく考えてみると、私が本当に好きなのは、「人に何かを伝えること」であり、写真や文章はそのためのツールにすぎないことに気がついた。写真や文章が下手すぎる言い訳に聞こえるかもしれないけど(笑)。

人に何かを伝えたいから、私はカメラマンに、ライターになった。そりゃ写真を撮ることや文章を書くことが上手いに越したことはない。その方がより人に伝わるから。

でも、いちばん大切なことは、取材の現場で自分自身の心が動くかどうか。だから流れ作業的な感覚で取材に臨んではならない。常に新鮮な気持ちで取材相手と対峙する。この緊張感も私にとっては心地よい。

私が人に伝えたいのは、その人の生きざまだったり、その人の考えだったり、その人が情熱を注いで作ったものだったり、私自身の思いだったり。

その取材で私の心が動いたように、私が撮った写真や書いた記事で人の心を動かしたい。そして、心を豊かにしたい。私の使命はそこにあると思っている。