永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

試食販売。

今、はじまったことではないが、私は取材先への感謝の気持ちとして、取材時に撮影した写真をプレゼントしている。

いろいろあって(笑)、著作権に対して人一倍キビシイ私が自ら撮影した写真を

「著作権は無視してくださって構いません。ご自由にお使いください」とメッセージを添えて送るのである。

きっと、同業者からすれば、私は“アタオカ”確定だろう。なんてバカなことをするのだと責められるかもしれない。

では、少しだけ言い訳をさせていただこう。

写真をプレゼントした取材先には1つ条件を付けている。それは、私が撮影した写真をメディアへ提供するのはNGとしていることだ。

お世話になったのは、あくまでも取材先であり、メディアには何の義理もないからだ。それに取材先に写真を借りるという悪習をなくし、メディアにはカメラマンが必要であることを知らしめたいという思いもある。

それと、もう一つ。私が写真をプレゼントするのは、前にも書いた通り、取材先への感謝の気持ちであるのは間違いないが、HPやメニューを制作する際に写真を撮影する機会があれば声をかけてほしいという裏の目的もある。もちろん、その場合は有料となる。

つまり、写真のプレゼントは、次の仕事につなげるためのツールなのである。実際に今、広告撮影の仕事をいただくクライアント様の大半はそれがきっかけだ。

「その写真、いただくことはできませんか?」と、撮影中に尋ねる人もいる。あわよくばタダでプロが撮影した写真を使いたいという気持ちが見え隠れするので、丁重にお断りするか、「著作権は私にありますので、使用するにはお金がかかりますが」と答える。そうすると大抵は諦める。

著作権のことをわかっている人は、というか良識のある人であれば「写真をください」なんてことは言わない。飲食店に置き換えれば、「タダで飲み食いさせろ」と言っているのと同じだから。

写真のプレゼントはいわば試食販売のようなもの。私のキャラクターも含めて写真を気に入っていただければ、必ずオファーが来ると信じている。

 

※写真は、今日撮影した町おこしグルメ。この写真も取材先へプレゼントする予定。