永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

オムチャーハンの話。

チャーハンの変化球的なメニューの一つに「オムチャーハン」なるものがある。定義するとしたら、ふわとろの玉子をのせたチャーハン、ということになる。愛知県春日井市の『圓家』の「特製チャーハンふわとろ玉子のせ」もジャンル分けするとオムチャーハンになる。

「天津チャーハン」は、天津飯のご飯の部分がチャーハンで、餡もかかっているので少し違う。実は、私は天津チャーハンや麻婆チャーハンはあまり好みではない。白ご飯だからこそ玉子の食感や餡の旨みが生かされると思うし、麻婆チャーハンも然り。

一方、オムチャーハンは玉子のみ。パラパラまたはしっとりのチャーハンにふわとろという食感が新たに加わることでまったく別物になるのが魅力である。

出している店が今ひとつ少ないのは、手間がかかるからだろう。チャーハンを作ってから、また中華鍋に油をひいてスクランブルエッグ的なものを作らねばならないのだから。

しかし、店にとっては魅力的なオプションだと思う。ちなみに『圓家』では「ふわとろ玉子のせ」は220円。卵を3個使ったとしても、かなり利益率が高い。要はひと手間が利益を生み出すのである。

オムチャーハンを出す店が多いのは、大阪。食いだおれの街だけに、やはり食べることに貪欲なのかもしれない。それがヒット商品を生み出す原動力となり、ひいては文化へと醸成されていくのである。

さて、実は明日から大阪出張。取材が終わったら、オムチャーハンを味わってみようと思っている。