永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

同業者の友人。

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「あなたは友達や知り合いが多いから、お葬式のことを考えると憂鬱になる」

ときどき、女房にそう言われる。仕事柄なのか、私は交友関係が広いか狭いかと問われれば、広い方だと思う。

とはいえ、同業であるカメラマンやライターの友人はめちゃくちゃ少ない。それは、私自身のコンプレックスが原因だと思う。

写真にしろ、文章にしろ、私は誰かの下で修業したわけではない。すべて自己流。とくに写真に対してはコンプレックスが強く、広告写真のスタジオや写真館で修業した「血統書付き」のカメラマンと比べて、私は「雑種」だ。

同業者から、「下手クソなくせにカメラマン(ライター)と名乗るんじゃねぇ!」と思われるのではないかと思い、自ら交流することを避けていたのだ。恥ずかしい話、ベテランといわれるようになった今でもその気持ちは、ある。

それと、私は地元のメディアで仕事をしていないことも大きい。同じ媒体で仕事をしていれば、忘新年会などで顔を合わせることもあるだろう。が、それがないのだ。私は、名古屋に居るのに「よそ者」だと思っていた。

同業者と付き合っても、何のメリットもない。付き合ってみたところで、仕事が少なくなったことやひと昔前と比べてギャラが下がったことなどを愚痴るだけ。ずっと、そう思っていた。だから、私が付き合っている数少ない同業者は、私よりもはるかに仕事ができる人ばかり。

一昨夜、Clubhouseで大先輩のカメラマンと話をした。ほぼサシでみっちりと2時間以上。大先輩と私の写真の技術は、大学生と幼稚園児くらいの差がある。ブログやTwitterも見ていてくださっているようで、私の存在を認めてもらえたような気がした。

話をする中で、最近の出版や広告の業界を取り巻く環境を嘆くこともあった。が、大先輩はその中でできることを必死で模索していた。その姿勢がとても刺激になり、同業者の友人、いや、大先輩なので友人というフレーズは適当ではないな。仲間と言わせていただくことにしよう。

同業者の仲間も悪くないと50歳を超えてそう思えるようになった。若い頃は何かと尖っていたのだと思う。私も年をとったという証拠なのだろう。大先輩、一昨夜はありがとうございました。お互いに面白いことができるといいですねー!

※写真は、一昨日に食べた愛知県春日井市『圓家本店』の「特製チャーハン玉子のせ」。町中華やラーメンなどのB級グルメのランチは「ひとり飯」がいちばん!