永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

老舗の底力。

今日は静岡へ出張。午後イチから静岡市内で、夕方から沼津市内でグルメ取材と撮影2本立て。ホント、息をつく間もないほど忙しかったが、どうしても行って話を聞いてみたかった店だったので、移動時間や距離はまったく苦にならず、むしろ楽しいと思ったくらい。

あ、そういえば、今日取材へ行った2軒とも「老舗」と呼ばれる店だった。老舗=権威と勘違いして上から目線の店も少なくはない中、2軒ともお客さんに喜んでもらおうと努力を積み重ねてきたことが伝わってきた。

当の本人はそれを当たり前のように思っているフシもある。しかし、第三者からすれば、それが長く商売を続ける秘訣だったりする。そのコントラストの差が面白いのである。いやー、面白い原稿が書けそうだ。

現場入りする前、静岡市の手前、藤枝市で高速を降りて、少し早めの昼食を摂ることにした。パッと頭に浮かんだのは、志太地区の朝ラー。藤枝にはその発祥店で、創業105年の『マルナカ』があったのを思い出したのだ。

店に着いたのは11時。それでも店内はほぼ満員。多くの客が温かい中華そばと冷やしラーメンの2杯を注文していた。それもまた『マルナカ』ならではの光景だろう。私はそんなにもお腹が空いていなかったので、温かい中華そばだけ頼んだ。

この中華そばは600円。常連客が多いので、なかなか値上げできないのだろう。この後に静岡市内で取材した店も10月から値上げするそうで、680円が695円になるという。そんな半端な金額にするよりも700円にすればよいのに、やはり毎日のように通ってくださるお客さんのことを考えるとできないようだ。

『マルナカ』へ話を戻そう。ここの中華そばを食べるのは2回目。前回は『TRYラーメン大賞全国版』の取材で藤枝市をまわったときに立ち寄った。とにかくあっさりとしているので全然胃もたれしない。若い人からすれば物足りないかもしれない。

昨日のブログで紹介した『如水』もそうだが、ブレずに自分のスタイルを貫き通しているからこそ、100年以上も人々に愛されているのだ。

今回の取材では老舗の底力を見せつけられた。あ、そういえば、もう過ぎてしまったけど、今年9月25日(水)でフリーになって丸29年になる。創業30年で老舗にカテゴライズされる説もあるらしい。来年がその年。私も老舗の底力を発揮してやる!