永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

旨すぎるチャーシュー丼。【後編】

昨日の続きね。昨日のブログは↓こちらから。

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最初に食べた1枚目のチャーシューで大盛りご飯の約1/4を平らげてしまい、完全に配分ミスを犯してしまった。

原因はあまりにも美味しすぎて我を忘れてしまったところに尽きる。一度レンゲを持つ手を休めて、深呼吸。落ち着いたところでじっくりと味わうことに決めた。

少量のワサビをチャーシューの上にのせて頬張る。辛味は少なく、香りが肉の旨味を引き立てる。うん、しみじみ旨い。

再びご飯をかっ喰らいたくなる衝動に駆られるものの、グッとガマン。米の一粒一粒をしっかり味わうことに。醤油の風味が香るタレの旨みと肉の旨み、そしてご飯の甘みが一体となって口の中に広がる。あー、やっぱり旨い。

おっと、ご飯を食べすすめると、丼の底の方にはフレーク状にしたチャーシューが入っていた。これも嬉しい演出だ。そこで四口分くらいのご飯とチャーシュー1枚を残して、刻みネギとだし汁を加えてチャーシュー茶漬けにして締めくくった。

いやー、大満足。今日の取材も頑張れそうだと思っていたら、
「いかがでしたか?」とご主人が話しかけてきた。私の食いっぷりがよかったのか、それとも話しかけたくなるようなオーラを纏っているのかは定かではないが、これまでにもこういうケースは多々あった。

困るのは客に扮してリサーチをする覆面取材のとき。できるだけ存在感を薄くしなければならないのに、逆に印象付けてしまったことが何度もあった。しかし,今回は完全なプライベートなのでご主人との会話も楽しんだ。

聞いてみると、店があるこの場所は両親が営んでいた喫茶店だったそうで、それをリフォームして店にしたという。ご主人はもともとサラリーマンで早期退職をして、この店を始めたのだ。

ご主人の父親は年に何回かチャーシューを作ってくれたことがあり、その味が忘れられなかったことから、チャーシュー丼の専門店にしたそうだ。

豚肉に知多ハッピーポークを使用するなど食材にこだわり、薬味に使うワサビも肉の味を邪魔せず、引き立てるものを選びに選んだという。

塊の肉からチャーシューを完成させるまで16日間かかるそうで、しかも仕入れた肉を掃除すると、実際に食べる部分は半分の量になってしまうらしい。ゆえに今の価格でギリギリとか。

チャーシュー丼とチャーシュー以外のものは置いていないが、味も食感も中華料理店やラーメン店のそれとはまったく違うので、また食べたくなる。私も昨日食べたばかりなのにもう食べたいもんね(笑)。

店のある庄内通界隈は、名古屋駅方面へ向かう際には必ず通る道なので、近々リピートすると思う。あー、またチャーシューとご飯を思いっきり頬張りたい!