永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

旨すぎるチャーシュー丼。【前編】

取材前に昼食を摂ろうと立ち寄ったのは、前から気になっていた名古屋市西区にのイオンタウン名西の隣りにあるチャーシュー丼専門店『Chantoshina(チャントシナ)』。

名古屋は1つのメニューに特化した専門店が定着しにくく、客から「あれはないのか」とか「あれを置いてくれ」と言われると、つい用意してしまう。結果、専門店なのにメニューが増え続けてコンセプトがボヤケてしまう傾向がある。

しかし、ここは、「自家製旨とろチャーシュー丼」と「自家製炙りチャーシュー丼」、「特製ネギ塩炙りチャーシュー丼」の3種類のチャーシュー丼のみ。この潔さに好感が持てた。

なぜなら、私も料理に特化したカメラマンであり、私にスポーツやブライダルの写真を撮ってほしいと頼まれても困るのだ。

さて、注文したのは、「自家製炙りチャーシュー丼」。お腹が空いていたので、ご飯を大盛りにした。

カウンター席からチャーシュー丼を作っているご主人の動きが目に入ってくる。丼によそっているご飯の量が私の想像を超えていた。ご主人の手際がよいので、

「いや、あの、ちょっと……。もう少し減らしてください」とリクエストするタイミングを逃してしまった。こうなったら無理矢理でも食べるしかないと腹をくくった。

「自家製炙りチャーシュー丼」が目の前に運ばれると、香ばしい香りに包まれた。お腹がグーッと鳴り、口の中は唾液でいっぱいになった。もう臨戦態勢は整った。

ネギと梅干し、ワサビの3種類の薬味とだし汁も添えられているが、まずはそのままいただいた。やや濃い目の味付けながら肉そのものの旨みも負けていない。無性にご飯をかっ喰らいたくなり、まるで何かに取り憑かれたように箸を動かしまくった。

しかし、それでもチャーシューの旨みが広がった口の中はまだ猛烈にご飯を求めている。いくらご飯を掻き込んでも追いつかないのである。何というポテンシャル!

そこで私は箸をレンゲに持ち替えてご飯を口の中に運んだ。結果、チャーシュー1枚で丼の中のご飯の1/4は平らげたと思う。残ったチャーシューとご飯の量がどう考えても合わない。明らかに配分ミスである。やっちまった……。

おっと、長くなりそうなので続きは明日にしよう(笑)。