永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

泣いてもいいんだよ。

出張先の山口からの帰り道、iPad miniでAmazonのプライムビデオを見ながら車を走らせていた。映画だと90分や120分なので、見終わった後は次の作品を見るためにSAやPAに寄らなければならず、長距離のドライブではドラマを見るようにしている。

で、選んだのは、有村架純と坂口健太郎主演の「そして、生きる」というWOWOWで放映されていたドラマ。

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ここでストーリーには触れないが、第5話で泣いてしまった。車の中だし、一人だし、どうにもこうにも抑えることができなかった。

こんなことは頻繁にある。家でドラマや映画を見ても泣くし、別に泣くことが恥ずかしいとは思わない。泣くことは笑ったり、起こったりするのと同じ感情だから。嬉しくても、悲しくても、悔しくても涙は出る。人はそういう風にできているのである。

次男が幼かった頃、理由は覚えていないけど私の逆鱗に触れることがあった。思いきり叱り飛ばした後に、抱きしめて胸の中で思いきり泣かせてやった。
「男の子だから泣くな!」とは思わなかった。

いちばん辛いのは、悲しいのに涙が出ないことだ。私にも経験がある。あのとき、思いきり泣くことができたら、どれだけ楽になっただろうと思う。

パリ五輪柔道女子52キロ級の阿部詩選手が2回戦敗退となり、号泣したことに賛否が分かれている。阿部詩選手も「情けない姿を見せてしまい申し訳ありません」と謝罪する事態にまでなっている。

私は阿部詩選手の号泣シーンをニュースで見た。金メダル候補と注目されていたこともあって、悔しさが伝わってきた。同時に思いきり泣いたことでそれが力となり、世界大会や2028年のオリンピックで活躍してくれるだろうと思った。

賛否それぞれの意見も納得できるし、どちらが正しいとか間違っているとは私には判断できないけど、ハッキリしているのは阿部詩選手が東京五輪から3年間、パリ五輪へ向けて、私たち常人の想像を絶するトレーニングを積んできたということ。

「お疲れ様でした。日の丸を背負ってくれてありがとう」という労いと感謝の気持ちで温かく見守ってあげることではないだろうか。

涙は心のモヤモヤをきれいに洗い流してくれる。誰でもそんな経験をしたことがあるだろうに。だから、泣いてもいいんだよ。