永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

愛されキャラ。

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同世代の人と語り合う月間」の第5弾。一昨日、名古屋・大須のステーキ店『大須万松寺 五代目橋本』の橋本卓さんと呑んだ。橋本さんは同世代ではなく、7歳年上。だから、橋本パイセン(笑)。

パイセンとのご縁は20年近く前。『週刊アサヒ芸能』の取材がきっかけだったと思う。長い間、電話で話をするだけで、リアルにお目にかかったのはここ2、3年前くらい。昨年あたりから「ナガヤちゃん、呑みに行こう♡」と、お誘いいただいており、ようやくそれが実現したというわけだ。

橋本さんは大須で生まれ育ち、店名の通り、五代にわたって大須で商売をしている。いわば、大須の顔役である。それだけに、橋本さんの店には名だたる会社の役員や芸能人、スポーツ選手、政治家が訪れる。

中には橋本さんをうまく利用して……なんてことを考えて近づいてくる不届き者もいるらしい。しかし、そんなことは橋本さんも想定していて、というか、そういうヤカラはすぐにわかるという。

私のような木っ端カメラマン&ライターでさえ、「あ、このままコイツと付き合っていても利用されるだけだな」と感じることもある。利用するなら、すればよい。ただし、私にとって仕事が「すべて」であるから、私がその相手をリスペクトできれば、だが。

リスペクトする気持ちを失ったら、すぐに切る。ボロカスに言われようが躊躇なく切る。残り少ないカメラマン人生、ライター人生なのである。バカと付き合っているヒマはないのだ。

橋本さんの話に戻そう。橋本さんは、私のFacebookやブログを隈なく見ていて、私のことは何でも知っている(笑)。一昨日は、私がブログに書いた「美意識」について語り合った。橋本さんがスゴイのは、持論を展開する前に必ず

「ナガヤちゃんと意見が違うかもしれないけど」と、前置きをすることだ。

人は意見やイデオロギーが違っても解り合うことができるのだ。それを橋本さんもわかっている。そもそも、イデオロギーなんぞは、変わることもある。現に、極右だった私が緩やかな右巻きに変わったからな。だから、たかがイデオロギーの違いで人格まで否定するのは、バカのやることだ。

ご覧の通り、橋本さんはコワモテだが(笑)、イデオロギーを超えて愛される存在、つまり、「愛されキャラ」なのである。本人は気がついていないかもしれないけど。だからこそ、いろんな人が集まってくる。私の周りには、そんな人がいっぱいいる。私もそうありたい。

橋本さんについて、どうしても書いておきたいことをもう一つ。新型コロナの緊急事態宣言中、私は大須の街をテーマに企画を考えていた。結論から言うと、実現することができなかったが、その際、橋本さんに相談にのっていただいた。

「ナガヤちゃんが大須でやってみたいことがあれば、人も紹介してあげるし、オレにできることだったら協力するから」と、おっしゃってくださった。その時、橋本さんも店を閉めていて大変だったにもかかわらず、である。本当にありがたいと思った。損得勘定なしで付き合える相手がいるというのは、幸せなことだ。