永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

53歳。

53歳になった。世間から見れば、完全にオトナである。かく言う本人はまったく自覚していないが。

53歳。サラリーマンであれば、きっと、自分の将来は見えていることだろう。定年後の人生も含めて。

フリーランスである私の場合、将来どころか、来年、いや、来月さえどうなっているのかもわからない。だから、この先の人生もまったく読めない。

ネガティブに捉えればキリがない。今日一日を悔いのないように精一杯生ききれば、自ずと道は拓けると信じるしかない。

53歳。私と女房の両親はすでに他界しているが、同世代の人たちは介護の真っ只中だったりする。また、子供が高校や大学、専門学校を卒業して、社会人となって巣立っていくのもこの頃だろう。

あ、そういえば、数日前に編集プロダクション時代から数年前までずっとお世話になっていた元編集の方から会社を定年退職した旨が書かれたハガキが届いた。

出版業界の右も左も分からない若造の私に仕事のイロハを教えてくださった編集者たちは、すでに定年を迎えていて、ほとんど会社にはいない。

53歳。出会いよりも別れの方が多い年頃である。出会いは人生に喜びを与えてくれる。では、別れは何を与えてくれるのだろう。

親兄弟や友人、仕事の仲間など大切な人の死は、これまでの生き方を振り返り、生き直すきっかけとなる。人生に与えられるのは、「深み」かもしれない。

あー、こんな話を同世代の人と酒を酌み交わし、時折バカ話を交えながら楽しみたい。拙ブログをご覧の友人の皆様、近々会いましょう。で、誕生日のお祝いに一杯オゴってください(笑)。