永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

トラブルの責任。

明日は本格的なフレンチの取材。今回は店選びに悪戦苦闘して、最終的に決まったのは写真素材の〆切の1周間前だった。それにもかかわらず、取材を快諾してくれた。

以来、シェフからメールが届くようになった。取材するメニューをじっくりと考えてくださっているようで、料理に対する真っ直ぐな情熱が文面からも伝わってきた。

一昨日に届いたメールには、
「撮影後は料理を召し上がっていただきたいので、お昼は控えめにしてください」とあり、ますます楽しみになった。

このブログで何度も書いたが、最近ではライターやカメラマンが飲食店へ取材に訪れることが少なくなってきているという。

制作予算が少なく、交通費や撮影したメニューの代金などの経費も出ないからだろうが、そこにお金をかけずして、どうやってメディアを運営していくのだろう。情報を発信してくのだから、情報を入手する手段=取材・撮影がキモではないのか。

テキトーにPCでググって得たものや、プレスリリースを丸写ししたものをそのまま載せている情報サイトもある。写真も取材先から借りたものや、酷いものになるとインスタなど個人のSNSの写真を恥ずかしげもなく載せているサイトも。

そんなクズのようなサイトが写真無断使用などトラブルの温床になっている可能性もある。おそらく、ライターとの契約書には記事の内容はライターがすべての責任を負うと書かれていることが想像できる。

クズサイトをのさばらさないためには、極論を言えばライターが仕事を請けなければよいのだ。と言っても、それは無理だろうから、せめて契約書の不備を指摘することくらいはできるだろう。だって、トラブルが起こったら全部ひっ被らされるんだぞ。

記事を公開したことで起こったトラブルの責任は、やはりサイトの運営側が負うものだと思う。ライターにコンプライアンスを遵守させるのも、公開前にチェックをするのも運営側の仕事なのだから。

フレンチの取材に話を戻そう。明日の取材には担当編集も立ち会う。このような環境で仕事ができることをありがたく思う。