永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

幸せのカタチ。

f:id:nagoya-meshi:20210317224329j:plain少し前、仕事場で原稿を書いているときに電話が鳴った。どうせセールスだろうと思ったが、相手は「経営コンサルタント」と名乗った。しかも、どこで調べたのか、私が写真を撮り、文章を書く仕事であることも知っていた。

コンサルに世話になることはないとは思いつつも、興味もあったので少し話を聞いてみることにした。

「もっと売上を伸ばしたくはありませんか?」と聞かれた。そりゃ伸びないよりは伸びた方がよい。「ええ、そりゃまぁ」と言うと、

「お客様に代わって、私たちが仕事の注文をとってきます」と、コンサル。つまりは、経営コンサルとは名ばかりの営業代行だったのだ。

このブログでもたびたび書いている通り、私は雑誌やWebメディアの編集部に企画を提案して仕事をいただいている。コンサルはそこまで知らなかったのである。ちなみに契約すると、月々の顧問料がかかる。さらに、仕事が成立した場合はマージンも取られる。まったく、ハイエナのような連中だな。

「あのぅ……。私の場合、編集部に企画を送ってGOサインが出たら仕事となるわけですが、営業代行ということは、企画も考えてくださるんでしょうか?」と、意地悪してやった。「えっ、あっ、いや、それは……」と、明らかに動揺している。私は、

「そりゃできないですよね?だから、コンサルは必要ないんです」と言って、電話を切った。

そもそも、お金を稼ぎたくて今の仕事をしているのではない。自分の好きなことを仕事にしたかっただけだ。

ネット上にも「こうすれば、もっと儲かる」とか「儲けるコツ、教えます」、「稼げるライターになるために」といった情報が沢山ある。それを見るたびに『闇金ウシジマくん』に出てくるフリーエージェントくんを思い出す。

物語は、中身のない「億万長者になれるアフェリエイトノウハウ」を100万円で買い、さらにそれを多くの人に売るというもの。早い話がマルチ商法にハマって落とし穴に落ちた青年の話。私なら、そんなノウハウをアテにするよりも、一文字でも多く文章を書き、一枚でも多く写真を撮るけどなぁ。

稼ぐことを仕事のモチベーションにしている人もいる。彼らからすれば、私なんかは効率の悪い仕事をしているように思うだろう。でも、自分の好きなことを仕事にしている私の幸福感は理解できないと思う。幸せのカタチは人それぞれなのだ。