永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

変化ではなく、進化。

今日は岐阜県の某町にある洋食店でグルメ取材。ここのところ、ジャンル外の取材が続いていたので久しぶりにホームグランドへ戻ってきたような気分。

その店は創業75年の老舗。3代目のご主人と女将さんが店を切り盛りしている。

いつものように食材や調理法へのこだわり、味のポイントなどについて話を聞き、さらに話を膨らませていく。その一つ一つのやりとりがとても楽しい。

洋食店にとって味の要となるデミグラスソースは、仕込み始めて完成するまで2週間もかかるという。ものすごく大変な作業だが、ご主人はどこか嬉しそう。

「ここに寿司のネタケースがあったんだよ。私の父が寿司を握ってさ。洋食のみならず、和食や中華と、いろんな料理が楽しめる、今で言うファミレスのような店だった」と、ご主人。

先代は2人の弟、ご主人にとっては叔父さんたち3人とそれぞれの奥様の計6名で店を営んでいたという。だからこそ、ファミレスのような店が可能だったのだ。

ご主人が店を継ぐことになり、メニューを洋食のみにして、さらに人気のものだけに絞り込んだ。1人で調理するとなると限界があるのだ。

同じような話を名古屋の麺類食堂で聞いたことがあった。昭和30年代の麺類食堂には、メニューにオムライスやラーメンもあり、さながらファミレスのようだった、と。しかし、時代とともにメニューが絞られていき、人気だった麺類と丼ものだけになった。

私自身、フリーになったばかりの頃は、雑誌の取材と撮影だけだった。しかし、母校の専門学校から声がかかって講師となったのを機に、講演会やセミナーのオファーもいただくようになった。

また、「一宮モーニング」の推進委員になったのを機に、地域創生の仕事も手がけ、いったい自分は何屋なのかわからなくなるほどいろんなことをやってきた。

カメラマンやライターという職業に執着せず、変化していくことを恐れなかったからこそ、今の私がある。いや、変化ではなく、進化だ。法人化したことで、これからもっと仕事の幅は広がり、私は進化し続けると確信している。

 

※写真は、今日取材先へ向かう途中で食べたチャーラー。チャーハンもラーメンもシンプルで旨かったぁ♪