永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

少額訴訟。

55年間生きてきて、また、30年近く文章を生業としてきて、まさか「訴状」を書く日が来るとは思わなかった。

訴状とは、裁判を起こす人(原告)が裁判所に提出する書類のことだ。原告、つまり、私の言い分や訴えの内容などを記載しなければならない。

写真の無断使用が発覚したのが2021年1月。ヤラかして弁護士会から業務停止命令が下り、解任した弁護士も、新たに代理人となった弁護士も内容証明郵便や電話連絡をしても、相手方は無視を決め込んだ。とうとう弁護士もサジを投げてしまった。

このままだと逃げ得になってしまうと思い、少額訴訟をすることに決めたのだ。調停という手もあるが、強制力がないため、相手方が裁判所へ足を運ぶか運ばないかは自由なのである。仮に来なかったとしても罰則はない。

その点、少額訴訟は来なかったら欠席裁判となり、原告の主張が100%認められてしまう。ただ、通常訴訟と違って、請求できる賠償金は60万円以内。慰謝料の請求も認められない。

弁護士が提示した金額よりもかなり低くなってしまうが、それは仕方がない。「悪いことをしたら責任をとる」という人として当たり前のことをしてもらうだけだ。

少額訴訟の判決は即日で、弁護士も不要。なので、誰の力も借りず、一人でやってみることにした。

訴状には賠償金請求の原因について書かねばならず、時系列にまとめると、相手方の悪質さと無責任ぶりがあらためて露呈し、心が掻き乱されてしまった。賠償金請求の原因について私が書いた一部を紹介しよう。

同弁護士が令和◯年◯月◯◯日付で内容証明郵便にて連絡をしたが、被告はこれを無視した。

新たに原告の代理人となった◯◯◯◯弁護士が令和◯年◯月◯◯日付で内容証明郵便による通知をしたが、被告はこれを無視した。令和◯年◯月◯日付で再度、特定記録郵便にて連絡したが、被告はこれも無視した。

その後、同弁護士は◯◯の店舗に架電し、何度も伝言及び折返しの連絡をしたが、被告は悉く無視した。

一連の被告の対応は、極めて悪質かつ無責任であり、社会人、ましてや会社の代表とは思えぬ思慮の浅さであり、賠償責任は免れない。よって原告は被告に損害賠償金を請求するものである。

ヒドイでしょ。人としてあるまじき行為とはこのことである。

明日、法務局へ行って相手方が代表を務める会社の登記簿謄本をとって、その足で簡易裁判所で少額訴訟の手続きをする。

◯◯社長、法廷で会おう!