永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

かにぱんお姉さん。

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私にとって、いちばん身近な「プロ」は料理人である。オノレの目利きと腕一本で料理を作り、客を喜ばせる。彼らのことが私は好きでたまらない。いくら私が文章を書くのが苦手でも、彼らの魅力が伝わるのであれば、拙い文章であっても書きたいと思う。文章を書く原動力となっているのは、料理人に限らず、取材した人の人間力だったりする。

とくにプロを名乗る人は、責任も伴う。芸能人やスポーツ選手が覚醒剤や不倫などが発覚すると、映画やドラマの制作会社や、CMなどの場合はスポンサーに莫大な違約金を支払わねばならない。

その責任も負えないのに、覚醒剤や不倫をするなんてプロとしてはいかがなものかと。責められるべきはその部分である。不倫の場合、奥さんや子供が可哀想、というのは少し違うような気がするのだが。

おっと、話が逸れた。

昨日、『東洋経済オンライン』で「永遠の17歳『かにぱんお姉さん』を知っていますか」という記事が公開された。

toyokeizai.net

私が編集部にネタを出して、取材・撮影・文章を担当させていた記事である。読んでいただければわかるが、「かにぱんお姉さん」は、かにぱんを製造・販売する三立製菓の広報である。レッキとした社員なのだ。

かにぱんをPRするために、自前で衣装を用意したり、テレビに出て芸人と体を張った勝負をしたりしているのである。それも、会社の命令とかではなく、自らが喜んで。とにかく、もう、話をしていて、めちゃくちゃ面白かった。シーンと静まりかえった三立製菓のオフィスで何度大爆笑したかわからないくらい笑いに笑った。

取材というよりは、スナックで、それも場末の大衆スナックで延々とダベっているような錯覚に陥った。彼女も同じようなモノを感じていたようで、ひと通り話を聞き終わると、

「フツーに話をしていただけじゃないですか!?」と、かなり驚いていたが、それをまとめるのがプロのライターなのである(笑)。しかし、彼女もまたプロ。そのの熱量と、これまでの実績があるからこそ、会社は彼女独自のPR法を認めている、いや、認めざるを得ないのだろう。会社勤めであってもプロとして十分に能力を発揮しているのである。

彼女のような存在は、どの会社でも、フリーになっても通用すると思う。ちなみに将来の夢は芸能界入りではなく、スナック経営とのこと(笑)。まさに天職ではないか。実現したら、また取材へ行こうと思う。いや、その前に「かにぱんお姉さんのPR術」的な本を出す機会がありましたら、ゴーストライターとして雇ってください(笑)。