永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

原稿、原稿、原稿。

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編集プロダクションで働いていた23歳〜25歳頃、原稿を書くのが速い方だった。当時、「16枚風俗」と呼ばれる原稿を同僚と持ち回りで担当していた。16枚とは400字詰め原稿用紙16枚のことで、6400字で風俗嬢を何人か紹介するというものだった。

どれくらいの速さで書けるのか、試しに測ってみようと思い、ストップウォッチを側において書き始めた。脇目も振らずワープロのキーを叩き、トイレにも行かず、休憩もせずに必死で書き続けた。ストップウォッチを見ると、なんと、1時間半で書き上げた。それが私の最高記録である。

とはいえ、面白おかしく書こうというよりは、速く書くことに主眼を置いたものだから、やっつけ仕事と非難されても仕方がない。当時は後から後から書かねばならない原稿を抱えていたので、正直、クオリティは二の次だった。それもあってフリーになったのである。

最近はめっきりと原稿を書くのが遅くなった。読み返したときに内容がイマイチだったり、リズムが悪かったりすると、半分くらい書き上げていても大幅に書き直すことが多々ある。あと、どれくらい世の中に自分の書いた記事が出せるだろうと思うと、つい、慎重になってしまうのだ。

さて、実は昨日から大阪へ来ている。17時くらいにホテルへ着いて、今、こうしてブログを書いている。本当は仕事場で原稿を書いてから大阪へ出発しようと思ったが、イマイチ調子が上がらなかったのだ。

25年間、原稿を書き続けてきて気が付いたことがある。原稿がスラスラと書ける日は、朝起きた瞬間からわかるのである。前日によく寝たとかあまり寝ていないというのは関係なく。言葉で言い表すのが難しいが、気分がアガっているのだ。今日はまったくダメだった。だから仕事場では原稿以外の作業を少ししただけ。

今日の取材は午前中で終わる予定。いつも出張先から帰宅すると、疲れてしまって仕事にならない。そこで考えたのが、帰路にあるネットカフェに籠って原稿を書いてから帰るという方法。すでに2回ほどやっているのだが、これが実に捗るのである。

きっと、ネットカフェの狭い空間がよいのだろう。また、お金を払っているから何としても書かねばならない、と精神的に追い込まれるからというのもある。いずれにしても、今日は絶対に書く。書くまで帰らない。