永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

ハズレ。

『おとなの週末web』にて連載中の「ニッポン“チャーラー”の旅」。

仕事柄、出張の多い私が旅先で食べたチャーラーを紹介している。出張が決まると、すぐに地元の人気店を調べて、ブックマークすることが習慣化している。

昨日から1泊2日で京都へ行ってきた。で、昨日の夜はいつものようにブックマークしておいた店へ行ってきた。

ここは今どきラーメンが500円台、チャーハンの小が200円台、大(他店での並盛)が300円台で食べられる京都では人気の店らしい。

円台としたのは、店の名前を伏せたいからである。ヒミツにしたいわけではなく、まぁ、結論から言えば、記事化するに値しない店だったということ。

注文したのは、600円台のチャーシューメン。冷たいチャーシューを麺が見えないほど載せたせいか、ラーメンのスープが冷めてしまっていたものの、味はまぁまぁフツーのレベル。横綱ラーメンを少しあっさりさせた感じかな。

少し前までは名古屋の『ラーメン福』と同様にモヤシとネギは無料で増量できたのだが、今は各50円になっている。ただでさえラーメンが安いのだから、それは仕方がないと思うし、むしろ、なぜもっと早く有料化しなかったのかとさえ思う。

問題はチャーハン。オーダーが通って、厨房から中華鍋を降る音が聞こえてきたから、注文ごとに作っていると思う。ところが……。味がまったくしないのだ。食感はパラパラを通り越してカリカリ。明らかに炒めすぎなのである。

なぜ、こんなチャーハンができるのか。これは私の想像だが、作り置きのチャーハンを再加熱したのだと思う。すでに炒めてあるチャーハンをさらに炒めたら、そりゃカリカリになるよ。

レンジで解凍したご飯を使ってチャーハンを作るとき、ご飯がかたまってダマになることがある。その場合、私は少量のお湯をフライパンの縁の部分にまわしかけて水蒸気にしてご飯に纏わせる。すると、ダマはなくなり、しっとりとした食感になる。

再加熱しているのは、スピーディーに提供するためだとは思うが、このひと手間を惜しんでほしくなかった。

読者様に胸を張って勧めることができないから記事化するのを断念した。実はそんな店は意外と多い。5軒行ったとしたら、だいたい2、3軒はハズレ。1本の記事を書くのには大変な労力が必要なのである。