永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

北京本店監修「北京飯」を喰らう。

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昨日、予告した通り、今日は中部地域のローソンで発売中の『北京本店監修 北京飯』の食レポ。

www.lawson.co.jp

ちなみに、パッケージに載っているのは店主の杉浦允俊さん。この写真は、私、ナガヤが撮影した。メニューの撮影をさせていただいたときに撮ったもので、おそらく杉浦さんがローソンに提供したのだろう。

気になったのは、杉浦さんの名前も肩書きもまったく書いていなかったこと。杉浦さんのことを知らない人からすれば「誰?」ってことになるかもしれない(笑)。

食べ方はいたって簡単。まず、電子レンジ(500W)で3分30秒温める。具材とご飯はセパレートになっていて、過熱後に具材をご飯にのせて完成。たったこれだけ。

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完成したのがコチラ。レンチンしたにもかかわらず、何なんだ、この卵のとろみ加減は。いや、実際に食べてみると、とろみというよりも食感はスクランブルエッグ状になっている。それも業務用スーパーで売られているようなスクランブルエッグ。きっと、それにタレを加えて味をつけているのだろう。

本物の北京飯は、タレと合わせた卵を熱々の中華鍋に投入して数秒で仕上げる。だから、食感はフワフワのトロトロ。本物とはまったく違う。

タレの味もかなり違う。本物は醤油のコクと香りを感じる名古屋人好みの甘辛い味付けだが、コチラはコクが今ひとつ。

決定的に違うのが、上にのる豚の唐揚げ。レンチンだから仕方がないが、揚げたてサクサクの食感からはほど遠い。表現するとすれば、ブヨブヨのフニャフニャ。

唐揚げの美味しさが消えてしまっているのだ。だからと言って、卵に肉の旨みが染みているわけでもない。ご飯と具材をセパレートにしたのはよかったと思う。可能であれば、ご飯と卵、唐揚げを別々にすればもっとよかったかもしれない。

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このテの商品は、「監修」とあってもガッツリと厨房に入って試作と試食と繰り返しているわけではない。また、レシピを渡すこともないと聞く。コンビニなりスーパーなりが自ら本物の味に近づけたものを何度かプレゼンをして、店主はその都度意見を述べるというのが実情のようだ。

本物の北京飯の美味しさを知っている私にとっては、味の格差が大きい。それでも雰囲気だけは味わえる。しかし、そのおかげで北京飯が無性に食べたくなった。一方、北京飯を食べたことがない人も、これを食べたら今度は本物が食べたくなるはずだ。と、いうことは、PR戦略としては大成功と言えるのではないか。