永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

道具。

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写真がフィルムからデジタルに替わってから、カメラに愛着がなくなった。デジタル一眼もパソコンと同じで、新しければ新しいほど性能がよい。発売から3年くらいでモデルチェンジしてしまう。

正直、ストロボを使って料理を撮る分には旧モデルでもたいして変わりはない。しかし、新モデルには前の機種に導入されなかった新しい技術が入っているため、使ってみたくなる。

新モデルを買うときには躊躇なく旧モデルを売る。それは愛着がないからだ。フィルム時代はそんなことはなかった。お金がなくて泣く泣く下取りに出したことがある。思い出がたくさん詰まったカメラを手放すのは辛かった。そんなワケで今も仕事場にある防湿庫には使うことのないフィルムカメラやレンズが入っている。

デジタル一眼はいつか下取りに出すもの。そんな風に思っていたが、トップ写真のカメラ、SONY α7sは愛着がわいてきた。発売は2014年。すでに7年も経っている。現行のモデルはα7sIII,つまり、3代目なので3世代も前のモデルということになる。

しかし、α7sから出てくる写真は、私が持っている新しいデジタル一眼と遜色がないどころか、ヘタをするとよいかもしれないほどすばらしい。例えば、↓この写真。

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太陽が沈みきる前、いわゆるマジックアワーに名古屋・栄のオアシス21とテレビ塔を撮影したものだ。暗い部分は潰れていないし、明るい部分もしっかりと色が出ている。

α7sは暗所での撮影に強いのがウリである。コンセプトがかなりマニアックというか尖っているから、発売から7年も経っているのに今も色褪せないのだと思う。

一昨日、Aki-Asahiから取り寄せたα7s専用の貼り革を貼ってみた。SONYのミラーレス一眼はペンタ部(カメラ上部の台形部分)に白地で大きくSONYのロゴが入っている。SONYのデザインは嫌いではないが、このロゴだけは馴染めなかったのだ。

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ちなみにこちらが貼り革を貼る前ね。SONYのロゴがドカーンと目立つでしょ?それに光沢のあるボディが何となく安っぽく見えるんだよなぁ。

あ、私は一応、ソニーのプロサポート会員である。ソニーの関係者がこのα7sを見たら面白くはないだろうなぁ(笑)。でも、プロストラップに大きくSONYのロゴも入っていることだし、勘弁してくれい(笑)。

ちなみにトップ写真のα7sに装着しているレンズは、CONTAX(コンタックス)という今はもうないブランドのCarl Zeiss Tessar 45mm F2.8という薄型の、いわゆるパンケーキレンズ。

1982年頃に製造されたもので、40年ほど経っているが、このレンズの写りも今でも十分に通用する。ピントはマニュアルになるので仕事には使えないが、この組み合わせが気に入っている。

これから欲しいカメラやレンズがあっても、α7sは手放さない。単なる機材ではなく、私の大切な「道具」になったのだ。