永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

ブラック企業。

春と秋の年2回、関西大学総合情報学部でゲスト講師として講義を行っている。

テーマは、「永谷正樹、という仕事。」。私がどのようにしてフリーランスとなり、毎日どんなことを考えながら仕事をしているのかを話す。

その中で学生たちがいちばん盛り上がるのが、私の編プロ時代の話。

「始業は朝10時で終業はエンドレス。いわゆる、今で言うブラック企業だった」と、話すと教室内がザワつく。“ブラック企業”というワードに対して敏感になっているのは、きっと、就活中の学生が多いからだろう。

しかし、わかってほしいのは、当時の私の気持ち。そりゃ辛かった。苦しかった。でも、それ以上に楽しかったのである。だからこそ、今もこうして同じ仕事をしているのだ。

先日、ある飲食店のオーナーと話したとき、従業員の労働時間の話になった。いくらその従業員にやる気があっても残業をさせたりすることはできないという。なぜなら、労基に通報されたらアウトだからだ。

そうか!そのテがあったか!という話ではない(笑)。独立して自分の店を持ちたいと思っている者や、フリーランスとして行きていきたいと考えている者はどうすればよいのだろう。

「団体行動が苦手な人にとって生き辛い世の中になった」と、オーナーは嘆いていた。

働きすぎて身体を壊さないようにとお上が監視するのは結構なことである。それで多くの人が救われるのだから。

ただ、大多数ではないものの、世の中には仕事が好きで好きでたまらないヤツもいるのだ。仕事を生きがいにしている者もいると思うのだ。

ほんと、どうすりゃいいんだろう。アタマのイイ人は、

「時間内にきっちりと仕事をこなすのも能力のうちだ」とかノタマうかもしれない。そういうヤツは、自分の店を持ちたいとかカメラマンになりたいとか思わないから(笑)。

そういうヤツが報われるような世の中になればいいのになぁ。