永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

負い目。

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実は私、女房にちょっとだけ負い目を感じている。

 

私と違って、女房は中学、高校と成績はトップクラス。

大学は英文科へ進み、卒業後は教師となった。

 

女房の同僚がそうだったように、

教師は職場結婚が多い。

 

女性教師は結婚しても仕事を続けるので、

夫婦揃って稼ぎまくり。

まぁ、大変な仕事であることは間違いないが。

 

多くの教師は

高級車を買ったり、豪邸に住んだりと

派手な生活はしないらしい。

 

その代わり、

子どもの教育にお金をかけたり、

毎年海外旅行に行ったりしているという。

 

私には1ミリも魅力を感じないが、

女房もそんな人生を送っていたのかもしれない。

 

しかし、幸か不幸か私と出会ってしまった。

 

「『お金がない』って言うなぁ!」と、私がキレて以来、

女房はお金のことを口に出さなくなったが、

きっと今もお金で苦労していると思う。

 

朝から晩までフルタイムで働き、

休みの日も家事に追われて、

いつも眠たそうにしている女房。

 

子供から手が離れたら、

一緒に旅行へ行きたいと言っていた

義母と義父、義姉も亡くなってしまった。

 

今も女房は義母たちを思い出しては泣く。

私も両親を亡くしているが、

私には想像もつかない寂しい思いをしているだろう。

そんな女房の心中を察すると、いたたまれなくなる。

 

私と出会って結婚したことと、

大切な人たちの死は関係ないかもしれない。

 

でも、お金の心配をしたり、

肉体的に疲労したりしなかったはずだ。

 

いったい、女房にとって幸せとは何なのか。

と、いうよりも、今、女房は幸せなのか。

 

私は怖くて訊くことができないし、

それを考えると、心が痛む。

 

ただ、一つ言えるのは、

私と結婚しなかったら、

あんなにカワイイ子供たちと出会うことはなかった。

経済的にも精神的にも

スリリングな(?)体験をすることもなかった。

そう自分に言い聞かせている。