永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

日常を、切り取る。

今日でブログを毎日更新するようになって、ちょうど11ヶ月。ブログをアップするのは日付が変わる頃と決めているので、どれだけ疲れていても、眠たくても、酔っ払っていても、PCかスマホの前にいなければならない。よくもまぁ、ここまで続けてこられたものである。さぁ、今日も書くぞぉ!

一つの場所にジッとしていられない性分ゆえに、若い頃はスタジオを使っての広告写真や写真館の仕事に今ひとつ魅力を感じなかった。広告写真はクライアントが絶対であり、写真館も接客業という側面もある。だから、誰かに縛られることなく、自由に飛びまわって撮影できる雑誌やメディアの仕事を選んだ。

しかし、取材を終えた後に店主や料理人にカメラを向けるようになり、その考え方が少し変わった。私が撮った写真をFacebookなどSNSのプロフィール写真にしてくれたり、年賀状に使ってくれている。中には店主の写真をスマホの壁紙にしている女将さんもいる。

皆、喜んでくれているのが私も嬉しかった。人生の節目となる七五三や成人式、婚礼などを手がける写真館のカメラマンの喜びもそこにあるのだろうと思った。ただ、私が撮っている写真は人生の節目ではない。日常のごくありふれた生活の中での1枚。そこにレンズを向けることに意義があると思っている。

最近では、女性、それも中高年の方を宝塚のスターや大物演歌歌手のようにヘアやメイク、衣装を“盛り盛り”にして撮ってくれる写真館もあるという。いわゆる、「変身写真」というものだ。これも完全に非日常。まぁ、それを楽しみたいがための企画なのだろうが。

先日開催したプロフィール写真の撮影会に参加された方の中には、「写真を遺影にする」とおっしゃった方もいた。本気なのか冗談なのかよくわからないが、私はとても光栄に思った。これが仮に“盛り盛り”の「変身写真」を遺影に使ったら……。私が葬儀の参列者だったら、不謹慎ながらも笑ってしまう。

たしかに写真館で撮影した気合いの入った1枚を遺影にするのも悪くはない。しかし、芸能人でもない限り、人は皆、平凡でごくありふれた日常を生きているのである。それをカッコ良く撮りたいと思うのだ。あっ、その時点で非日常かもしれないな(笑)。でも、盛りすぎず、できるだけナチュラルに。その人の内面からの魅力を引き出す。そんなポートレートを撮りたいと思っている。

これが『アプリ不要!? プロフィール写真のススメ』のコンセプトである。今後はイベントではなく、撮影担当の私とメイク担当の山村えり子さん、それぞれが持つ技術を一つのパッケージにして売っていこうと思っている。興味のある方は是非。