永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

便利屋からの卒業。

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ここ最近、テレビ局からの電話が多い。出演オファーなら大変ありがたいことだが、すべて問い合わせ……。

「洋菓子についてご存知の方、いませんか?」、「回転寿司に詳しい人、知りませんか?」、「味噌文化に精通した人っていないですかねぇ」

知らねぇよ(笑)。この際だから、ハッキリ言っておこう。私には同業者の友人や知り合いはほとんどいない、と。

ライターの友達は、以前ブログに登場した、みゆきちゃんくらい。彼女は地元雑誌の編集者でもあるのだが、ただの一度も一緒に仕事をしたことがない。

地元の媒体で仕事をしないという私の主義を知っているからだろう。だから、正しくは、ライターの友人ではなく、友人がたまたまライターだっただけだと思っている。

ライターという職業は人脈があるように思うのだろうか。確かに人と会うのが仕事なので、普通の人よりは顔が広い。しかし、それはあくまでも取材対象となる人との繋がりだ。

お店や人であれば、いくらでも紹介できる。でも、同業者、とくにライターはまったく知らない。私ほど同業者と繋がっていない者はいないのではないか。

その理由としては、私は写真を撮って文章も書くので、カメラマンやライターと組んで仕事をすることがないからだ。あと、地元の媒体で仕事をしていない、ということもある。

他のライターはどうなんだろう。地元の媒体で仕事をしている人たちは、横の繋がりがあるように思える。それが羨ましいと思った時期もあった。いや、別に仕事を紹介してほしいとか、そういうのはまったくない。

誰とも組まず、誰とも交わらず、ずっと一人なので、仕事がなくて焦っているときに、酒でも飲みながら話を聞いてくれる仲間がほしいと思ったのだ。が、今は要らない。同業者よりも、異業種の人と飲む方が楽しいからだ。あ、みゆきちゃんは別ね(笑)。

ってことで、テレビ局の皆様、私に聞いてもムダなので、これからは問い合わせをしないように。と、いくら書いても、たぶん電話してくるよなぁ(笑)。私は頼みやすいキャラなんだろうか。もっと、大御所オーラを出さなければ(嘘)。

ちょっとマジメな話をするが、私は駆け出しの頃、名古屋のことならフードに限らず、オファーがあれば何でも取材した。いわゆる「便利屋」だった。しかし、年齢を重ねるとともに、私でなくてもできるような仕事は断るようにした。将来に繋がらないからである。

今では、自分が生涯のテーマとして選んだ食が8割。私自身が興味のある人物へのインタビューが2割。と、自分の好きなことしか仕事にしていない。ここまでくるのに15年以上かかった。

テレビでも「便利屋」になるつもりはない。私にしかできないことをするつもりだ。そのためには、雑誌やWebメディアでガンガンに仕事をして、知名度を上げねばならない。仕事のオファーを出すのに、やや敷居が高い存在になりたい。