永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

陰謀論。

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昨日は、編集者の山本由樹さんと取材で飛騨清見へ。往復約4時間、お互いの近況やいろんな話をした。

その中で出てきたのが、陰謀論。

ステイホームということもあって、家でネットばかり見ているからだと思うが、陰謀論を大真面目に信じている人が多いという話になった。

あ、最初から言っておくけど、私は陰謀論をまったく信じていない。いくら力説されても「あ、そうですか」としか言えない。だって、「SNSで○○が言っていた」ってことだけで、根拠は何もないんだから。

って、書くと、陰謀論を信じている人からいろいろ言われるんだろうなぁ……。じゃぁさ、SNSで拡散されまくってた「米大統領の就任式に何かが起こる」ってのは?これ、実際に何か起こったのか!?

ナニ?起こったけど隠蔽しているって?何か起こるときはネットで拡散されるのに、起こったら隠蔽って(笑)。どっちかにしろよな(笑)。

いや、だから、根拠を示せって。それだけで終わる話なのだ。って、書いても、言い分はあるだろうなぁ……。

私自身、15年ほど前までは、かなり思想的に右旋回していた。田母神俊雄さんや櫻井よし子さん、竹田恒泰さんらの講演会へ頻繁に足を運んでいたし、本も読んでいた。

前にも書いたが、野党時代の自民党、安倍さんの講演会へ行って目が覚めた。いや、安倍さんの講演そのものは、当時の私にとってはドンピシャの内容だった。

ところが、講演会が終わった後に行われた質疑応答でヘイトまがいの「演説」をした参加者を見て、同じ空気を吸うのも嫌になった。

質問ではなく、演説、それも他国を貶める発言は論外であるし、同じような思想を持つ仲間がいて、誰からも反論されない場所、いわば、安全地帯で言いたい放題というのもいかがなものかと思う。

私は仕事もこのブログも本名を晒している。ペンネームやハンドルネームを使わないのは、書いていることの責任を負っているということだ。

早い話が、私の文章に対して、それはおかしいという意見があれば、検証する。そして、誤ちがあれば謝罪する。誤ちはないと思っても、いただいた意見を尊重し、さらに検証を続ける。自称保守や陰謀論者にその覚悟はあるのか。

そんなわけで、安倍さんの講演会に参加してから、今まで自分が信じていたことを疑うようになった。とはいえ、国を愛する気持ちや皇室への畏敬の念は忘れてはいない。それは普遍的なものだと思うから。

本を読んだり、テレビや映画のドキュメンタリーを見る中で、私は他国を蔑視することを愛国と勘違いしている輩や自分とは異なる思想を持つ者を排除している輩が嫌いなことに気がついたのだ。陰謀論を信じている人たちも、その傾向はあると思う。

ネットで検索するのは、自分の興味のある人やものだったり、信じたいことである。ゆえに、ネットばかりやっていると、考え方が凝り固まってくる。

昔は「テレビばかり見ているとバカになるよ!」と言われた。テレビっ子だった私はバカになったかもしれないが、陰謀論を信じたり、差別したり、排除したりはしない。それは胸を張って言える。

分別のある大人が大真面目にネットに書かれた荒唐無稽な情報を信じているのである。老いも若きもネットばかり見ていたら、ろくな人間にはならない。本当にそう思う。

 

※写真は、取材先の窓から見えた雪景色。飛騨清見の気温は−5℃で、名古屋は5℃。10℃の気温差を体感しました(笑)。