永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

写真と文章で、心を動かす。

少し前にこのブログに「心を、動かす。」とのタイトルで記事を書いた。私は写真を生業としているので、映像に刺激を受けると思い、毎晩映画を見ていた。しかし、私の心が動いたのは、映像ではなく、音楽だった。

YouTubeを見ていたら、たまたまトップページにピアニストのハラミちゃんがストリートピアノを演奏する動画のサムネイルが表示された。

それが↓この動画。

youtu.be

沖縄のショッピングモールでハラミちゃんが「涙そうそう」を弾き、夏川りみさんが生歌を披露しているのである。

「涙そうそう」は、私というか、永谷家にとっては特別な曲。女房のお母さんが亡くなったときにお葬式で流れていたのがこの曲だった。

動画を見て、不意に涙がこぼれた。年をとって涙腺が緩んでいるのは間違いないが、ハラミちゃんが奏でる一音一音が、夏川りみさんが歌う歌詞の一語一語が心に突き刺さったのだ。

夏川りみさんはマイクを使わず、生歌だった。その力は本当に凄まじく、動画の中の観衆も涙を拭っていた。

ピアノや歌には人の心を動かす力がある。では、写真、私が撮った写真は……。ないなー。ないわ。

写真も音楽と同様に、言葉が通じなくても伝わる、伝えることができるものだと思う。カメラマンである以上、人の心を動かす1枚を撮ってみたいし、撮らねばならない。

幸いなことに私には文章というもう一つの道具がある。それも使って。この命があるうちに成し遂げたい。