永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

選挙へ行こう。

「失われた30年」というフレーズをよく耳にする。つまり、1990年代初頭のバブル崩壊以降、経済成長が停滞し、物価の下落や賃金の上昇が見られないということ。しかもそれは世界広しといえども日本だけが陥っているという。

振り返ってみれば、たしかにこの30年間、出版社のギャラは上がるどころか下がっているし、経費もかなり厳しい。編集者やライターは頻繁に名古屋へ来ていたのに、全く来なくなってしまった。

この「失われた30年」は誰に責任があるのか?

世の中のワーキングパーソンは朝早くから夜遅くまで働いているし、決して怠けているわけではない。生活保護を不正に受給したり、不労所得を得ている不届き者もいるかもしれないが、経済破綻した国に比べると、大半はマジメに働いている。

その証が毎年最高額を更新し続けている国の税収である。皆、きちんと働いて、きちんと税金を納めているのである。

にもかかわらず、納めた税金に相応しい行政サービスが受けられないということは、税金の使い道や配分が間違っているのだろう。

「失われた30年」の責任は、長年にわたって政権を担っていた自公連立与党にあるのだと私は思っている。だから、政権交代をしなければならないとも。

政権交代したからといって、すぐに世の中は変わるはずがない。そんな意見もあると思うが、作家でコラムニストの適菜収さんはこう言う。

「チンパンジーがトラックを運転していたら、とりあえず止めるのが先でしょう」と。

これは安倍政権時に適菜さんがtwitterで呟いたことだが、安倍から菅、岸田、石破と運転手は変わったが、世の中は少しでも良くなっただろうか?チンパンジーからニホンザル、ゴリラ、オラウータンとサルの種類が変わっただけではないのか。

せめて運転手として雇うのであれば、運転について専門的な知識と経験のある人間に任せたいではないか。なかなかそういった人材がいないなら、せめて人間で。

それを選ぶのが今度の参院選なのである。候補者も比例代表も政権与党である自民党や公明党を選んでしまっては何も変わらない。オラウータンからマントヒヒに変わるようなものである。

だから、政権与党以外の候補者と政党に一票を投じていただきたい。誰に、どの政党に入れればよいのかわからないという人もいるだろう。極端な話、政権与党以外であればどこでもよい。運転席から引きずり下ろすのが目的なのだから。

仮に野党第一党である立憲民主党やその次の国民民主党が政権を奪取したとする。それでも私たちの生活が一向に楽にならなければ、次の選挙で落とせばよいのだ。で、また新しい政権が誕生する。それでもダメなら、また次へ。それを繰り返すしか世の中を変える方法はないのだ。

「誰に入れても変わらないから」と選挙へ行かない人を私は心の底から軽蔑する。それはトラックを運転するサルにエサを与える行為にも等しいからである。

選挙へ行こう。そして、クソみたいなこの世の中を少しでも変えよう。