永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

企画は、送らなきゃ始まらない。

ライターという仕事の間口が広いように、取材ライターとひと口に言っても千差万別である。企業案件の場合は、最初から取材する相手も内容も決まっていると思う。

メディアを主戦場とする取材ライターの場合、編集部から依頼されることもあるが、それはほんの一部だ。とくに地方ライターは皆無と言っても過言ではない。

では、どうやって仕事を得るのか。ネットで案件を探す?同業者に紹介してもらう?noteやブログをコツコツと続けて見つけてもらう?

答えはすべてノー。メディアに合わせた企画を提出するしか方法はない。

いきなりハードルが高くなったと思うだろうか。自分の趣味や特技など、要するに自分の好きなことがそのままメディアの企画になると考えたらラクになると私は思うのだが。

例えば、先日公開された東洋経済オンラインの記事「はなまるうどん」が名古屋の名店ときしめんで全国へ挑戦…なぜ"ご当地麺"はこれまで広がらなかったのか」。

toyokeizai.net

うどんチェーン大手の『はなまるうどん』と地元のきしめん専門店『星が丘製麺所』との資本提携で新業態の『きしめんズズズ』が誕生したのだが、ネット上ではニューオープンを告知する記事ばかり。

私は、なぜ資本提携をすることになったのか。そのメリットは何だったのか。ひいては、名古屋名物のきしめんが全国区になる可能性はあるのか。いろいろ気になることがあったので、それらを企画書にまとめて提出したところ、編集部からGOサインが出た。

『星が丘製麺所』の衣笠社長はもともと面識があったが、幸運なことに、『はなまるうどん』の前田社長に直接インタビューをする機会もいただいた。そこで前田社長から「きしめん愛」を聞くことができて、私は取材の成功を確信した。

きしめんの味や店のコンセプトは二の次だったせいか、はたまた私の文章力に問題があったのか、記事はまったくバズらなかった。が、私は自分の好きなテーマを企画して、取材して、文章を書くことができたことに満足だった。

このように、ネット上に転がっている情報でも、見方を変えることで企画として成立するのである。だから、メディアの仕事は楽しいし、やりがいがある。

自慢話でも何でもないが、フリーになったばかりの頃は、毎日企画書を編集部へ送っていた。今のようにネットはなかったので、FAXで。

「よくそんなことできましたね」と言われるが、企画書を書くことしか仕事がなかったらやるしかない。宝くじは買わなきゃ当たらないのと同じで、企画も送らなきゃ仕事にありつけないのである。

今でもその気持ちを忘れてはならないと思っている。